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SSやら、オタクな妄想やら妄言やらを垂れ流す駄BLOGです。
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 俺は唇に微かな圧迫感と温かさを感じて、目を開けた。
 目を開けると、SOS団専属文学的美少女長門有希の顔がすぐそこにあった。
 
 「おはよう。キョンくん」
 「よかったぁ。このままずっと目を覚まさないままだったらどうしようって思ってたんだよ」
 
 「ここはどこだ?」


 「病院。キョンくん学校で、階段から落っこちて運び込まれたんだよ。」
 「キョンくんの寝顔すごくかわいくて、お姫様みたいだったの。」
 「Sleeping Beauty、って知ってる?」
 「その・・・だからね。キス・・・したら、目、覚ますかな?って、思ったの。」
 「神様に『どうかキョンくんが目を覚ましますように』ってお願いしながらキスしちゃった。えへへ。」
 「そしたら、ホントにキョンくん目を覚ますんだもん。ちょっとびっくりしちゃった。」
 「すごいね。神様お願いかなえてくれたよ。」
 
 長門は一気にしゃべると首から耳まで真っ赤にしてうつむいている。もともとが白いからだろうか、長門の肌は、赤みが差すと本当に鮮明な赤一色に染まっている。
 
 俺はなんていっていいものか分からず、黙っていた。というより状況を把握できていなかった。俺は階段から落ちて、病院に担ぎ込まれて、入院していたが目を覚まさずにいたところ、長門のキスで目を覚ました、Sleeping Beautyなお姫様?
 
 つまり、俺は長門にキスされたってことか?
 ようやっと頭が回り始めてきた俺は、体を起こして長門を見る。
 口を開いて何かしゃべろうと思ったら、長門に口を挟まれた。
 
 「えっと、私もう帰るね。」
 長門は慌てたようにそういうと、くるっと振り向いて病室を出ようとする。
 
 「ちょっとまて」
 「キャッ」
 帰ろうとする長門の手首をつかんで、グイっと引き寄せる。長門は後ろを向いた姿勢でそのまま仰向けにベッドの上に倒れこんだ。長門の頭がちょうど俺の太ももに乗っかった。
 
 「俺にもひとつお願いがあるんだ。」
 「・・・え?」
 「どうやら寝てる間に、好きな子にキスされたらしいんだが、あいにく俺は寝ちまってたんで、よく覚えてないんだ」
 「ちゃんと目が覚めてるときに改めてキスしたい」
 「ずっと覚えていられるようなキスを・・・」
 
 俺はそういうと長門の肩を抱き寄せて、ゆっくりと顔を近づけて行く。
 
 長門の頬はまだ真っ赤に染まっている。長門の頬を染めさせたことに、妙な満足感を覚えていると、長門はそっと目を閉じた。
 まつげが震えているのが分かるくらいに顔が近づいて、そして俺も目を閉じ……







 「…みたいな事してたんじゃないでしょうね!!キョン!!」
 んなわけねーだろ。いいからネクタイを引っ張るな。息が出来ねぇ。まったくどんな妄想だ。だいたい俺も長門もキャラ変わってないか?
 「だっておかしいじゃない!!なんか有希とキョンの雰囲気、変わったのよ!!クリスマスパーティのときからずっと気になってたけど、今日確信したわ!!」
 
 だから冬合宿のときに説明したろ、と言いかけて俺は思い出した。そうだハルヒに説明したのは遭難中だった。あれは古泉のまた適当な言い訳で集団催眠で見た夢ってことになってたんだったな。
 
 「なぁに?今、何か言いかけたでしょ。」
 「いや、それは…」
 「やっぱりね。怪しいと思ったのよ!キョンは気付くと有希のこと見てるし、何かと有希のこと気に掛けてるみたいだし、有希は有希で…」
 
 ハルヒがそこまで言いかけたところで、その言葉をさえぎるように、長門は読みかけの本をパタンと閉じた。そして顔だけをハルヒのほうに向けて静かに口を開いた。
 
 「彼が入院期間中、私が一人で病室に行ったのは事実。しかし、二者間でキスあるいはそれに準ずるような行為は行われていない。」
 
 ほらな、ハルヒ、分かったろ。それはあくまでお前の妄想であり実際の人物団体等とは関係ないフィクションだ。そんな妄想をいつまでも頭に留めているからよくないんだ。妄想はテキストに起こして某スレにでも投下しちまえ。そうすれば、きっと喜ばれる。間違いない。
 
 ハルヒはあひるのように尖らした口で、だってとか違うもんとか、ぶつぶつ不満そうに呟いている。分かったらそろそろネクタイを離してくれ。
 
 「ただ、彼が寝ている間に、私がそうしなかったという保証はない。」
 なんですと!!長門さん、それはどういう意味でしょうか!?
 
 
 
 「キョーーーン!!!」
 だから、なんで俺が責められる?前後にゆするな。目が回る。ちょ、ネクタイが…。ハ、ハルヒ、マジで息ができない。く、苦しい…。助け…。 







ちょっとおまけ。

だいたい、俺が目を覚ましたときにいたのは、古泉だったろ。お前も病室にいたんだから知ってるだろ。なあ、古泉。
 「そうですね。ただ、あなたが寝ている間に僕がそうしなかった、という保証もありませんが。」
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